コンサートで支援する国
このページの内容は、2011年に開催されたドリーム・パワー・コンサートの前に、毎日小学生新聞に寄稿された連載です。当時、新聞に掲載されたままの記事を紹介しています。2011年のコンサートでは、ここに掲載されている学校を支援し、学校建設は始まっています。
フィリピン2011年のライヴで支援
ガマト村にある学校。壁もなく屋根からは雨漏りがします
=プラン・ジャパン提供
フィリピン東サマール州オラス町ガモト村は、オラス町の中でも、もっとも貧しい村のひとつといわれていて、小規模な農業を営みながら暮らしています。この村にある学校では屋根や壁から雨風が吹き込んでしまいます。フィリピンは台風が多い国ですが、もし台風が来たら学校は壊れしまうでしょう。また、同じ町にあるイワヤン村はココナツを栽培して生計を立てていますが、川沿いにあるために雨期になると、しばしば洪水が起きてしまいます。今年のドリーム・パワー・コンサートでは、このふたつの村に災害対策をきちんとした学校を1校ずつ贈ることになっています。
ガーナ2011年のライヴで支援
雨で泥まみれになってしまった学校の床と備品
=プラン・ジャパン提供
ガーナ南部のセントラル州にあるアボアセ・コミュニティでは、トウモロコシやココナツなどを栽培して生活をしています。1か月に平均10ドル(約770円)の収入しか得られず、貧しい生活をしています。コミュニティには小学校が1校ありますが、とても勉強できる環境ではありません。屋根はさびてしまってたくさんの穴が開いていて、雨が降るたびに教室は泥まみれになってしまいます。最近、つよい雨風が学校を襲い屋根や壁が崩れてしまいました。また、学校には水道もないため衛生面に問題もあります。今年のドリーム・パワー・コンサートで、このコミュニティに新しい学校をプレゼントします。自由に水を飲んだり手を洗ったりできるように水道の設備も作ります。
タイ2011年のライヴで支援
タイは中学3年生までの9年間を義務教育と法律で決め、すべての子どもたちが無料で学校に通えます。しかし、中学3年生の37%は読み書きの力が標準を下回り、60%が基本的な計算ができないとユネスコは報告しています。しかも、37%もの子どもたちが、義務教育を終えられないそうです。原因は、通える場所に学校がなかったり、お金が足りなかったりすることに加えて、全国の学校の半分以上が勉強するのに十分な環境が整っていないことが挙げられます。特に農村部では、お金が足りないために整備が遅れてしまっています。
今年のコンサートでは、タイ北部のチェンマイ県チェンダーオ郡にあるカエノイ村に学校を贈ります。少数民族の赤ラフ族がお米を栽培して生活していますが、暮らしを支えるのに十分なお金を稼ぐことができません。
ベトナム2011年のライヴで支援
ベトナム北部の山の中にあるバクザン省ソンドン県に暮らしている人々の半分近くが八つの少数民族に属しています。ベトナム内で貧しいと言われているバクザン省ですが、そのなかでもソンドン県はもっとも貧しいと言われています。
農業や林業で収入を得ていますが、1日1ドル(76円)以下で生活している人々が37%にも達しています。今年のドリーム・パワー・コンサートではソンドン県のムク村に学校を建てることが決まりました。
ムク村の子どもたちは、となり村の建物を借りて勉強していたり、6キロ離れた学校まで歩いて通ったりしています。朝は早くに家を出て、帰りは遅くなってしまいます。暑い夏、寒い冬、雨の中を通学するムク村の子どもたちが、かぜをひくことなく、元気に学ぶことができることを願い、学校を贈ります。
グアテマラ2011年のライヴで支援
柱と屋根だけの学校
=プラン・ジャパン提供
グアテマラ中部にあるバハ・ベラパス州グラナドス郡は山岳地帯にあり、都市部からアクセスすることが非常に困難です。
今回、学校を贈るピエドラ・パラダ・コミュニティには、コンクリートブロックとトタン屋根で作られた小さな学校がありますが、雨期には雨が吹き込んでしまうため、教室がぬれるだけでなく、感染症や皮膚病になったり健康面でも問題が生じています。また、学校がとても狭いために子どもたちの半分は外で授業を受けています。この地域は、読み書きのできる人が少なく、特に女性は13%しか読み書きができないという報告があります。
カンボジア2011年のライヴで支援
カンボジアは大きな街には幼稚園がありますが、農村部にはまだ幼稚園がほとんどありません。それは、幼稚園に通うことが大切なことと考えられていないこと、お金が足りないこと、きちんと幼稚園で教えることのできる先生がいないことが挙げられます。
今年のドリーム・パワー・コンサートでは、学校に入る前の子どもたちが幼稚園に通うことも重要だと考え、カンボジアのシエムレアプ州、チャール・チューク・コミューンに幼稚園をプレゼントすることにしました。幼稚園に通えるようになれば、勉強についていけなくなる子どもが減り、途中で小学校をやめる子どもたちも減ると考えています。